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日本の名峰 DVD付きマガジン64紅葉色めく湯の山 安達太良山

2019年11月19日 DeAGOSTINI 定価917円+税


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山を愛するすべての人へ 臨場感あふれる映像で名峰に迫る 自然派ドキュメンタリー

秋、山がもっとも美しく着飾る季節。優美な稜線を引く、たおやかな山、安達太良山。錦秋を迎え、その女性的な美しさを際立たせる。

だが、その時は極めて短い。やがて訪れる厳冬期、深い雪と、吹きすさぶ風がこの山の姿を一変させる。

一面、白の世界となるこの山に、かつて冬山の厳しさと、幻想的な美しさを教えられた旅人。まだ知らぬ秋の風景を求めて、再び安達太良山を訪れた。


同じシリーズの44号、『雪煙舞う厳冬の安達太良山』が、今年初めに刊行されています。同じ山の号が刊行されるとは思っていなかったので、嬉しい誤算でした。


このシリーズ、平成25年(2013)から同27年(2015)にかけ、BS TBSさんで放映されていた「日本の名峰・絶景探訪」という登山番組とのタイアップで、同番組を収めたDVDが付録として毎号ついています。本誌の構成も、そのDVDに準じています。

確かにその番組では、平成26年(2014)に、#32雪煙舞う厳冬の安達太良山」、#58 「紅葉色めく湯の山 安達太良山」と、安達太良山が2回取り上げられました。44号は#32、そして今号は#58を元にしています。放映は2回とも、女優の春馬ゆかりさんがナビゲーター。そこで、上記解説に「かつて冬山の厳しさと、幻想的な美しさを教えられた旅人。まだ知らぬ秋の風景を求めて、再び安達太良山を訪れた」とあるわけです。


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あちこちに「高村光太郎」、「智恵子抄」、「ほんとの空」の文字。

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まさに季節としてもいい感じのネタですね。本誌と付録のDVDをご覧の上(上記発行日、奥付に従って11月19日としていますが、10月21日には発売になっています)、ぜひ足をお運び下さい。

ただ、安達太良山、決して易しい山ではありません。つい最近も高齢の方お二人が遭難、亡くなったそうで……。

【折々のことば・光太郎】

老成組は大方皆物欲しげに時代の皮相に照応するやうな主題を選んで小さく固まつて居り、中老組は従来の惰力で唯レイルをすべつて居り、青年組は何が何だかわからないかのやうにジヤズソングじみた無方位の浅さの中に精力を放散させてゐる。
 
散文「帝展彫刻の技術感――低調と混迷との現象――」より
昭和6年(1931) 光太郎49歳

官設展覧会の彫刻の部を評した一文ですが、彫刻に限らず、芸術界一般に対しての苦言にも読めます。

さらに深読みすれば、社会全体――国や地方公共団体、企業、学校、その他あらゆる組織が腐って行く構図のようにも読めます。