グルメ系カテゴリで3件ご紹介します。

まず、毎月恒例、道の駅はなまき西南(愛称・賢治と光太郎の郷)さん内のミレットキッチンフラワーさんで、各月15日に販売されている豪華弁当「光太郎ランチ」、今月分。
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毎月、光太郎の日記や書簡などを元に、光太郎が作ったメニュー、ふるまわれた料理、使った食材などを現代風にアレンジしたりして詰め合わせたもので、今月のメニューは、「ひえ・麦ごはんのおむすび」「にら玉炒飯」「ニシンとスルメの柔らか煮」「ソーセージ」「卵豆腐」「コーンと青豆のバター炒め」「ふきのとうの酢醤油」「桑茶ゼリー」「お新香」。盛りだくさんですが、桑茶は血糖値を抑える効能もあるそうで、ヘルシーですね。

ところで、メニュー考案に協力されているやつかの森LLCさん。季刊誌『花巻散歩マチココ』さんで、同様に「光太郎レシピ」という連載を創刊以来続けてこられましたが、3月発行の第34号で最終回だったそうです。最終回っぽい文言があるな、と思っていたら、その通りでした。5年もの長い間、お疲れさまでした。

代わりに、というわけでもないようですが、新しい取り組みとして、花巻市東和地区にある「ワンデイシェフの大食堂」に「光太郎レシピ」を使って参戦なさるそうです。こちらは「一般の主婦(主夫)、学生、OL、プロ等が日替わりでシェフになってランチを提供するレストラン」だそうで。詳細がわかりましたらまたご紹介します。

そのやつかの森LLCさん編集の冊子が発売されました。『KOTARO CAFE 高村光太郎の食卓―おやつ編―』。
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昨秋から先月にかけ、花巻高村光太郎記念館さんで開催された企画展示「光太郎、つくりくふ。 光太郎の食 おやつ編」の際、会場で無料配付していた冊子をきちんと製本したものです。A5判並製、20ページで頒価500円。

前半は光太郎智恵子が食した「おやつ」的なものについて、残された文献等からわかることを当方がまとめました。
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後半は「光太郎レシピ」で使われた写真を元に、会場内の展示パネルの解説文を転載。
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ご入用の方、やつかの森LLCさんまでご連絡ください。

紹介すべき事項が多く、やはり「食」でもう1件。全国学校給食会協会さん発行の月刊誌『学校給食』の2023年5月号
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当会の祖・草野心平の故郷、福島県いわき市の小学校教諭・田島裕司氏の寄稿で「高村光太郎の詩のように」という記事が掲載されています。

光太郎詩「道程」(大正3年=1914)を引きつつ、勤務校で取り組まれてきた「虹色スマイルプロジェクト」(コロナ禍で頑張る医療従事者を光で応援することから始まった取り組み)、いわき市にある古刹・白水阿弥陀堂の台風による浸水被害への支援などを紹介されていて、あまり「食」には関わらない感じでしたが。「道程」がらみの部分のみ、下に。
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「給食」ということで、「食事中の会話制限」というお話にもなっていました。ようやくコロナ禍も落ち着いてきた感があり、そうした制限も緩和されつつあるのではないかと思われますが、昨日あたりは「第九波の懸念」などといった報道も為されており、まだまだ予断を許しませんね。

そんな心配もなく、「食」を自由に満喫できる日が遠からずやってくることを祈念いたします。

【折々のことば・光太郎】

私はものを避けるのはイヤです 何にでも正面からぶツかつて行きたうございます 常にさう心懸けて居るのでございます


大正2年(1913)1月8日 長沼セキ宛書簡より 光太郎31歳

「道程」の書かれるほぼ1年前。既に「僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る」的な精神が感じられますね。

この書簡では、光太郎との交際に難色を示していた智恵子の郷里の人々の様子を教えてほしい、逃げずにぶつかるから、的なことを、智恵子の妹・セキに宛ててしたためています。