終わってしまった話ですが、光太郎の父・光雲の関連で2件。

まず、テレビ東京系で先週火曜日(4/16)に放映された「開運! なんでも鑑定団」。

ゲストはテノール歌手の秋川雅史さんでした。秋川さん、ご自身でも独学で木彫を手がけられているということで、鑑定依頼品は秋川さんが尊敬する光雲の木彫。

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入手の経緯がとても面白い話でした。

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結局、600万円でご購入とのこと。

そして、日本大学芸術学部さんの大熊敏之先生による鑑定。本人鑑定額は買ったと時と同じ600万円でしたが……。

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オープン・ザ・プライス!

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なんと倍の1,200万円!

それもそのはず。

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弟子の手が入った工房作ではないというわけで。

さらに……。

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この作品、見覚えがあると思って調べてみましたところ、平成14年(2002)に茨城県近代美術館さん他を巡回した「高村光雲とその時代展」に出品されていました。

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題して「寿老舞」。確かに浅草の骨董商・晴雅堂清水さんで所蔵されていたものです。

大正13年(1924)の作ということで、この年、光雲は皇室に納められた「松樹鷹」、「養蚕天女」(東京国立博物館特別展 御即位30年記念「両陛下と文化交流―日本美を伝える―」で先月まで展示されていました)など、傑作を作っています。

秋川さん、いい買い物をしましたね。

公式サイトはこちら。系列のBSテレ東さんでは2ヶ月遅れくらいで放映がありますし、地上波テレ東さんでもいずれ再放送があります。また、テレ東系列以外の地方局でも、いわゆる「番販」の形で、休日の昼間などに放映される場合がありますので、ゲスト秋川さんの回でチェックしてみて下さい。


続いて、昨日行われた「第604回毎日オークション 絵画・版画・彫刻」。やはり光雲作という彫刻が2点、出品されました。

まず、木彫の「大黒天」。昭和6年(1931)の作。高さ7.5㌢の小さなものです。

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予想落札価格が50万円から80万円という設定でしたが、実際には160万円で落札されました。


もう1点、昭和5年(1930)の「世直福神(2点1組)」。こちらはブロンズで、大きさ的には「大黒天」とほぼ同じです。


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予想落札価格は20万円から30万円。結果は21万円でした。


やはり光雲彫刻、人気が高いというわけですね。今後も末永く愛され続けてほしいものです。


明日は光雲木彫を観て参ります。


【折々のことば・光太郎】

その無数に舞ひ落ちてくる雪片の動きを見つめてゐると眩暈をおこします。何だか気持ちのよい眩暈です。自分のからだが宙に浮くやうな気がします。

散文「雪解けず」より 昭和21年(1946) 光太郎64歳

7年間の蟄居生活を送った、雪深い花巻郊外旧太田村の山小屋での作です。「眩暈」は「めまい」です。