新刊情報です。智恵子の故郷、福島二本松に聳える安達太良山関連で、光太郎智恵子に触れられています。
日本の名峰 DVD付きマガジン44 雪煙舞う厳冬の安達太良山
2019年1月15日 DeAGOSTINI 定価917円+税

山を愛するすべての人へ 臨場感あふれる映像で名峰に迫る 自然派ドキュメンタリー
遠くに望めば穏やかな表情を見せる安達太良山。しかし、その稜線に立った者は大きな口を空に向かって広げた爆裂火口の荒々しい姿を見せつけられる。そんな安達太良山は、厳冬期を迎えると登山者の覚悟を試すかのような凍てつく寒さと深い雪に覆われる。それでも人は冬の安達太良山に心惹かれ足を運ぶ。その理由とは?
さまざまな「週刊百科」ものを手がけられているDeAGOSTINIさんから、一昨年刊行されたシリーズの44号。「日本百名山」に選定された山を中心に、各地の名峰を紹介するものです。平成25年(2013)から同27年(2015)にかけ、BS TBSさんで放映されていた「日本の名峰・絶景探訪」という登山番組とタイアップ。同番組を収めたDVDが付録として毎号ついています。本誌の構成も、そのDVDに準じているようです。
同番組では、安達太良山は2回取り上げられました。いずれも平成26年(2014)で、#32 「雪煙舞う厳冬の安達太良山」、#58 「紅葉色めく湯の山 安達太良山」。そのうち、タイトルでわかるとおり、厳冬の安達太良山の方が取り上げられています。


安達太良山が「智恵子抄」に謳われた山であること、周辺情報として智恵子生家・智恵子記念館などの紹介にもページを割いて下さっています。
付録DVDでも。




ナビゲーター役は女優の春馬ゆかりさん。奥岳登山口からくろがね小屋を経て、安達太良山頂、そして同じ連峰の鉄山へ。



ちょうど今の季節がこんな感じなのだろうと思いますが、まさに「雪山」です。
大きめの新刊書店さんでしたら、普通に並んでいます。ぜひお買い求め下さい。
【折々のことば・光太郎】
まつたく北極熊のやうだ。華氏八十度となると私は、そろそろ生理機能が狂つて来る。九十度以上の東京の夏は私の生活能力を大半奪ふ。筋肉労働に近い仕事の方はまだ出来るが文筆による仕事は殆ど不可能の状態である。
散文「百三十五番」より 昭和2年(1927) 光太郎45歳
光太郎は夏の暑さに弱く、逆に冬の厳しい寒さを好んだことは有名です。
華氏80度は、現在、通常使われている摂氏に直すと26.7度。同90度は32.2度。やはり温暖化が進んでいなかった昔の方が、夏の暑さもそれほどでなかったように思われます。35度以上の猛暑日が当たり前という現代の東京に光太郎がいたら、どうなることでしょうか。逆に樹氷モンスターが出現する厳冬期の安達太良山などは、光太郎にとってパラダイスかもしれません(笑)。