長野県から企画展情報です。
明治維新150年記念 幕末から昭和の芸術家たちと近代数寄者のまなざし

期 日 : 2018年7月15日(日)~9月17日(月・祝)
会 場 : サンリツ服部美術館 長野県諏訪市湖岸通り2-1-1
時 間 : 9時30分~16時30分
料 金 : 大人1,000(900)円 小中学生400(350)円
( )内は団体20名様以上の料金
( )内は団体20名様以上の料金
休 館 : 祝日を除く月曜日(ただし、8月6日、13日、27日は開館)
今から150年前、明治という新たな時代が訪れます。新政府主導のもと、政治、産業、教育、文化などあらゆるものが日々発展し、日本は急速な近代化を成し遂げていきました。
このような激動の時代の中、芸術家たちは伝統的な美意識と新たな時代の表現を模索しながら、多くの名品を世に生み出していきました。また、武家や町衆などによって支えられていた茶の湯では、明治期に入ると政財界の人々が嗜むようになり、近代数寄者たちによる豪華な茶の湯文化が花ひらきます。 この度、サンリツ服部美術館では明治維新150年を記念し、幕末から昭和にかけて制作された絵画や工芸作品、近代数寄者ゆかりの茶道具などをご紹介いたします。目まぐるしく移り変わる時代の中で、芸術家や数寄者たちが求めた美の世界をお楽しみください。 |
主な出品作品
・冷泉為恭「養老勅使図」 江戸時代19世紀
・久保田桃水「山吹鮎図」 江戸―明治時代20世紀(後期出品)
・竹内栖鳳「鮮魚」 昭和時代 20世紀(後期出品)
・竹内栖鳳「夏木野雀」 昭和時代 20世紀(前期出品)
・高村光雲「鍾馗像」 明治時代 19世紀
・富本憲吉「白磁壺」 昭和11年(1936)
・長次郎「黒楽茶碗 銘 雁取」 桃山時代 16世紀
・久保田桃水「山吹鮎図」 江戸―明治時代20世紀(後期出品)
・竹内栖鳳「鮮魚」 昭和時代 20世紀(後期出品)
・竹内栖鳳「夏木野雀」 昭和時代 20世紀(前期出品)
・高村光雲「鍾馗像」 明治時代 19世紀
・富本憲吉「白磁壺」 昭和11年(1936)
・長次郎「黒楽茶碗 銘 雁取」 桃山時代 16世紀
関連行事
第2回美術講座
日時:2018年7月23日(月) 13時30分から(受付開始13時)
日時:2018年7月23日(月) 13時30分から(受付開始13時)
講師:山盛弥生氏(実践女子大学香雪記念資料館客員研究員)
演題:近代の日本画を知る―新旧と東西
会場:サンリツ服部美術館 2階喫茶室 定員:60名 参加費:入館料のみ
演題:近代の日本画を知る―新旧と東西
会場:サンリツ服部美術館 2階喫茶室 定員:60名 参加費:入館料のみ
申込方法:電話、受付にて予約(電話0266-57-3311)
*当日は休館日ですが、参加される方は13時から13時30分、講座終了後から15時30分
まで展覧会をご覧いただけます。講座中は展示はご覧いただけません。
まで展覧会をご覧いただけます。講座中は展示はご覧いただけません。
「鍾馗」は光雲が好んで取り上げた題材の一つで、複数の作品の現存が確認できています。右は平成14年(2002)、茨城県近代美術館他を巡回した「高村光雲とその時代展」図録から。この時だけでも2体の鍾馗像が展示されました。
また後ほど紹介いたしますが、サンリツ服部美術館さんのある諏訪からほど近い安曇野の碌山美術館さんでは、企画展「荻原守衛の人と芸術Ⅱ 【夏期】 美に生きる ―荻原守衛の親友たち―」が開催され、光太郎も取り上げて下さいます。
併せて拝見に行こうと思っております。皆様も是非どうぞ。
【折々のことば・光太郎】
この本を見ると、なるほどギリシア彫刻は、彫刻の本源だなと納得させられる。
散文「富永惣一著「ギリシア彫刻」推薦文」より
昭和28年(1953) 光太郎71歳
ミケランジェロ、ロダン等、光太郎の敬愛した彫刻家たちの系譜を辿っていくと、その行き着く先はギリシャ彫刻。光太郎にとっては、ある意味、自らのルーツというわけです。
実は光雲もそうでした。江戸期の仏師の流れを汲む光雲ですが、守旧にとどまることなく、文明開化で流入してきた西洋の文献等にも目を通し、自らの骨肉としています。

こちらは、光雲が描いたもの。「写」とありますので、おそらく西洋の解剖学的な分野の文献から書き写したものでしょう。この骸骨や筋肉に肉付けをすれば、そのままあたかもギリシャ彫刻のようです。