ともに岩手花巻に関わる光太郎作品が載った雑誌系、2冊ご紹介します。 

花巻市情報誌『花日和』平成29年冬号

2017/12  花巻市発行  無料

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花巻市内の花巻市観光協会、花巻観光案内所などで無料配布されている、年4回発行の市の情報誌です。無料と侮るなかれ、A4変形版30ページオールカラーの、毎号なかなか凝った作りです。

巻頭近くに「ふるさとの詩(うた)」というコーナーがあり、今号は光太郎詩「冬が来た」(大正2年=1913)が掲載されています。

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バックの写真は、光太郎も何度か宿泊した、鉛温泉藤三旅館さん。いい感じですね。

『花日和』、首都圏でも入手可能です。東銀座にある岩手県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」さんなどに置いてあるはずです。

ところで、「ふるさとの詩(うた)」というコーナー、平成25年(2013)の同誌発刊以来、宮沢賢治の作品が毎号掲載されていましたが、今号は光太郎。このまま当分、光太郎作品が載り続けるのでしょうか。そうだとすると、かなりありがたいのですが。


もう一冊。

『家庭画報』2018年3月号

2018年2月1日  世界文化社発行  定価1,400円

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こちらも巻頭近くに、「残したいことば、未来につなぐことば――心を伝える絵手紙」というコーナーがあり、今号は、花巻郊外旧太田村から送られた光太郎の書簡(ハガキ)が紹介されています。

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昭和22年(1947)、4月6日付で、宛先は東京在住の姪・高村珊子さんです。4月の段階でまだ春が来ていない、ようやく雪の下からフキノトウが、というあたり、春の訪れの遅さに驚きますが、北東北ではそんなものなのでしょう。当方自宅兼事務所のある千葉県では、ぼやぼやしているともうそろそろフキノトウが出始めます。

解説は、日本絵手紙協会名誉会長の、小池邦夫氏。同会発行の『月刊絵手紙』でも、「生(いのち)を削って生(いのち)を肥やす 高村光太郎のことば」という連載が為されています。

こちらは一般書店店頭で販売中。ぜひお買い求め下さい。


【折々のことば・光太郎】

自然の風景は透明だが、詩人の描く風景はまつたく主観の雄弁な告白者だ。

散文「彫刻その他」より 昭和18年(1943) 光太郎61歳