この項、最終回です。

10月1日(日)
智恵子の故郷・福島二本松のラポートあだちさんにおいて、智恵子を偲ぶ第23回レモン忌が開催されました。記念講演は福島県立美術館さんの学芸員をなさっている堀宜雄氏で、題して「智恵子の横貌―『青鞜』表紙絵のナゾ―」でした。

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同日、mille booksさんから庄野雄治氏編『コーヒーと随筆』が発行されました。古今の「コーヒーを飲みながら読んで欲しい随筆」を集めたアンソロジーで、光雲の「佐竹の原へ大仏を拵えたはなし」、「大仏の末路のあわれなはなし」、光太郎の「人の首」を含みます。

10月3日(火)
NHK文化センター仙台教室さんにおいて、宮城教育大学名誉教授 渡辺善雄氏による市民講座「東北ゆかりの作家たち」が始まりました。光太郎、太宰、啄木、斎藤茂吉らに触れられ、12月9日(土)まで全6回の開催でした。

10月5日(木)
福島二本松の智恵子生家を会場に、「智恵子・レモン忌 あいのうた」が開催されました。朗読・一色采子さん、電子ピアノ・渕上千里さん、モダンダンス・二瓶野枝さんでした。

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10月9日(月・祝)
二本松市コンサートホールさんにおいて、「震災復興応援 智恵子抄とともに~野村朗作品リサイタル~」公演があり、「連作歌曲 智恵子抄」を森山孝光・康子ご夫妻、新作初演「樹下の二人」を星由佳子さん、倉本洋子さんが演奏なさいました。

10月9日(月・祝) 11月9日(木) 12月17日(日)
二本松市の市民交流センターさん、男女共生センターさんを会場に、「智恵子のまち夢くらぶ」さん主催の「智恵子講座2017」が開催されました。今年の講座は、昨年亡くなられた二本松の児童文学者・故金田和枝さんの著書(智恵子と光太郎)を熟読するというものでした。

10月12日(木)
愛知県豊川市ジオスペース館さんにおいて定期的に開催されている「市民名画劇場」で、昭和32年(1957)の東宝映画「智恵子抄」(原節子・山村聰主演)が上映されました。

10/16(月)
NHK文化センターいわき教室さんにおいて、いわき賢治の会会長/賢治学会会員・小野浩氏による市民講座「宮澤賢治の世界 交友編」が始まりました。光太郎、賢治、草野心平、黄瀛らに触れられ、12月11日(月)まで全3回の開催でした。

10月17日(火)
船橋市市民文化創造館(きららホール)さんにおいて、朗読イベント「「満天星」ライブ第6回」が開催され、「智恵子抄」が取り上げられました。

10月21日(土)001
十和田市立東公民館さんにおいて、三本木小地区安全・安心協働活動協議会講演会「知っておきたい! 乙女の像ものがたり~秘められた光太郎の思い~」が開催されました。当方が講師を務めさせていただきました。

10月21日(土)~28日(土)
杉並区のアートスペース煌翔さんを会場に、写真展「高橋昌嗣展 文士の逸品 物から物語へ。」が開催され、光太郎愛用の長靴の写真が展示されました。

10月24日(火)~29日(金)
仙台市青葉区の晩翠画廊さんにおいて、「伊藤康子書展」が開催され、盛岡ご在住の書家の伊藤康子さん、画家の古山拓氏、お二人のコラボで光太郎詩「岩手山の肩」(昭和22年=1947)に取り組まれました。

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10月25日(水)
江東区の深川江戸資料館さんにおいて、朗読イベント「第4回 JILA朗読コンクール入賞・入選記念 朗読の祭典」が開催され、「智恵子抄」が取り上げられました。

同日、不二出版さんから、光太郎も寄稿した昭和戦前の雑誌『冬柏』復刻版全26巻・別冊1の刊行が始まりました。

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10月27日(金)
十和田市民文化センターさんにおいて、「奥入瀬渓流エコツーリズム市民のつどい」が開催され、地元の女性合唱団・コールアゼリアさんによる「湖畔の乙女」(作詞・佐藤春夫、作曲・長谷川芳美)、「出逢いを求めて―十和田湖へ―」(作詞・木下龍太郎、作曲・伊藤薫)が演奏されました。

10月28日(土)
福井市立美術館さんで開催されていた「没後30年記念 高田博厚展 対話から生まれる美」の関連行事として、光太郎と妻智恵子、高田の人間模様を描いた新朗読劇『道程-高村光太郎・智恵子・高田博厚-』が上演されました。

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同日、横浜美術館さんレクチャーホールで、「テルミンと語りで紡ぐ愛の物語り 智恵子抄」公演がありました。ご出演は、ぷらイム(テルミン 大西ようこさん/ギター・歌・その他 三谷郁夫さん)、水沢有美さん(朗読)でした。

10月28日(土)~11月26日(日)
台東区の東京藝術大学美術館さんにおいて、「東京藝術大学創立130周年記念特別展「皇室の彩(いろどり) 百年前の文化プロジェクト」」展が開催されました。皇室に献上された、光雲、豊周作品が複数展示されました。

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10月29日(日)
BS朝日さんで、「暦を歩く #140「乙女の像」(青森県十和田湖)」がオンエアされ「湖畔の乙女」が取り上げられました。

10月31日(火)
ドイツフランクフルトのCaffe Martellaさんにて、「秋の宵の朗読会~日本の詩15篇」が開催され、光太郎詩も取り上げられました。

11月1日~29日(水)
この間の水・土に、文京区の旧安田楠雄邸さんで、「となりの髙村さん展第2弾「写真で見る昭和の千駄木界隈」髙村規写真展」が開催されました。

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11月2日(木)
NHKBSプレミアムさんで「ザ・プロファイラー 夢と野望の人生 彫刻に“生命”を刻んだ男~オーギュスト・ロダン~」が放映され、光太郎にも触れられました。11月8日(水)に再放送もありました。出演は日本大学芸術学部・髙橋幸次教授他でした。


11月3日(金)
二本松市市民交流センターさんにおいて、「秋の星空講座 月を見上げて in ほんとの空」が開催されました。

11月3日(金)~12月3日(日)
京都市の知恩院さんで、「知恩院 秋の紅葉ライトアップ2017」が行われ、同寺補陀落池に立つ光雲原型の聖観音菩薩立像もライトアップされました。

11月3日(金・祝)~12月24日(日)
栃木県足利市立美術館さんにおいて、「涯テノ詩聲(ハテノウタゴエ )詩人 吉増剛造展」が開催され、光太郎ブロンズ「手」(大正7年=1918)が展示されました。

11月4日(土)
世田谷区の上用賀アートホールさんで、日本舞踊系の「真理パフェFourth」という公演があり、「あどけない話」、「人に」、「千鳥と遊ぶ智恵子」の朗読がプログラムに入っていました。

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11月7日(火)
千代田区紀尾井ホールさんにおいて、「朝香麻美子 箏・三弦リサイタル ~女性のあり方をよむ~」公演があり、箏曲「樹下の二人(小山清茂 作曲)」が演奏されました。

同日、目黒区の天恩山五百羅漢寺さんで、「第1回らかん仏教文化講座 五百羅漢寺と江戸東京の仏教文化」が開催され、光雲に触れられました。講師は同寺執事/学芸員・堀研心氏でした。

11月8日(水)~12日(日)
杉並区の荻窪小劇場さんで、劇団Dangerous Boxさんによる「実験公演 門ノ月~Aida~/智恵子抄」の公演がありました。

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同じ日程で、豊島区役所本庁舎1階としまセンタースクエアを会場に、「2017アジア・パラアート-書-TOKYO国際交流展」が開催され、昭和17年(1942)の詩「みなもとに帰るもの」の一節を揮毫した光太郎の書も展示されました。

11月10日(金)
三省堂書店さんから、三浦和尚氏著『高校国語科授業の実践的提案』が刊行されました。「高村光太郎「レモン哀歌」の指導 -詩の「楽しみ方」を求めて-」を含みます。

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11月12日(日)
NHK Eテレさんで「日曜美術館 皇室の秘宝~奇跡の美術プロジェクト~」の放映があり、光雲作品「鹿置物」「養蚕天女」も取り上げられました。再放送は11月19日でした。

同日、中央区の浜離宮朝日ホールさんにおいて、「東京男声合唱フェスティバル」が開催され、会津高校OB合唱団さん(31名)が、清水脩作曲の「梅酒 -智恵子抄より-」を演奏して下さいました。

11月13日(月)
『福島民友』さんで、「智恵子のまち夢くらぶ」が二本松市の智恵子の生家近くに智恵子ゆかりの地などを案内する「智恵子のまちガイドボード」を設置したことを報じました。

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11月15日(水)~21日(火)
中央区の松屋銀座さん7階遊びのギャラリーにおいて、「篠原貴之水墨絵画展-水墨の新境地-」が開催され、「レモン哀歌」という作品も出品されました。

11月17日(金)
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『高知新聞』さんの一面コラム「小社会」で、ロダン没後100年にからめ、光太郎に触れて下さいました。

11月18日(土)
文京区のアカデミー向丘さんで、第62回高村光太郎研究会が開催されました。発表は「吉本隆明「高村光太郎」再訪」(赤崎学氏)、「詩作品に見る『をぢさんの詩』の位置」(岡田年正氏)でした。

11月23日(木・祝)
奈良県立美術館さんで、「ニッポンの写実 そっくりの魔力」展が始まりました。2018年1月14日(日)までの会期です。光雲木彫「天鹿馴兎(てんろくくんと)」(明治28年=1895・個人蔵)、「砥草刈(とくさがり)」(大正3年=1914・大阪市立美術館蔵)、「西行法師」(制作年不明・清水三年坂美術館蔵)の3点が並んでいます。   

11月25日(土)
目黒区の日本近代文学館さんで、朗読イベント「リーディングライブ2017」が開催され、「智恵子抄」詩篇も取り上げられました。

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11月26日(日)
千代田区の日比谷コンベンションホールさんで、「第11回 明星研究会 <シンポジウム> 口語自由詩の衝撃と「明星」~晶子・杢太郎・白秋・朔太郎・光太郎」が開催され、第一部で歌人の松平盟子氏のご講演「『みだれ髪』を超えて~晶子と口語自由詩 女性・子供・社会」、第二部のシンポジウム「口語自由詩に直撃! 彼らは詩歌の激流にどう漕ぎ出したか」、それぞれで光太郎に触れて下さいました。

11月29日(水)
フロンティアワークスさんから「文豪とアルケミスト 朗読CD第二弾 高村光太郎」が発売されました。光太郎詩14篇を、声優の森田成一さんが朗読なさっています。

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12月1日(金)
雑誌『中央公論』さんの12月号。公益財団法人川端康成記念会理事の水原園博氏ご執筆の、川端が生前に集めた美術品コレクションを紹介する連載「川端康成の眼」で、今年の1月に発見が報じられ、7月から8月にかけ、岩手県立美術館さんで開催された、「巨匠が愛した美の世界 川端康成・東山魁夷コレクション展」に出品された扇面揮毫を紹介してくださいました。題して「高村光太郎とほろびぬ美」。

同日、花巻市さん発行の『広報はなまき』12月号。「花巻歴史探訪(郷土ゆかりの文化財編)」という連載で光太郎の彫刻「大倉喜八郎の首」(大正15年=1926)が紹介されました。

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さらに同日、バリトン歌手・新井俊稀氏のCD「日本の抒情歌 
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赤い花 白い花」が新井音楽事務所シューベルティアーデ倶楽部から発売されました。野村朗氏作曲「連作歌曲 智恵子抄」を含みます。

12月2日(土)
鎌倉市の光太郎と交流のあった故・高田博厚のアトリエが閉鎖、遺族や知人ら関係者によるお別れの会が開かれ、遺品が、埼玉県東松山市に寄贈されることになりました。光太郎、高田双方と交流のあった、同市元教育長の故・田口弘氏の御遺徳によるものです。

同日、信州安曇野の碌山美術館さんで、「美術講座  ストーブを囲んで 「荻原守衛と高村光太郎の交友」を語る」が開催されました。同館学芸員・武井敏氏と当方による対談形式でした。


12月3日(日)
BSフジさんでオンエアされた『絶景百名山2時間スペシャル 第66回 「安達太良山・西吾妻山 秋」』で、光太郎智恵子に触れて下さいました。
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12月6日(水)

新宿区の音楽の友ホールさんにおいて、「日本歌曲に求める無限の楽しみ 第27回 似たもの同志・名曲探訪18 愛」が開催され、清水脩作曲「智恵子抄」から抜粋で演奏がなされました。

12月7日(木)
『宮崎日日新聞』さんが、一面コラム「くろしお」で、中東問題に絡め光太郎詩「冬の朝のめざめ」を引いて下さいました。

12月9日(土)
目黒区の天恩山五百羅漢寺さんで、「第2回らかん仏教文化講座 「近代彫刻としての仏像」」が開催され、光雲、光太郎に触れられました。講師は小平市平櫛田中彫刻美術館さん学芸員・藤井明氏でした。


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12月9日(土) ~2018年2月25日(日)
平塚市美術館さんで「所蔵作品による”なんだろう”展+新収蔵品」が開催されています。大正3年(1914)に描かれた光太郎の静物画が展示されています。

12月9日(土) ~2018年2月26日(月)
花巻市高村光太郎記念館さんで、「平成29年度花巻市共同企画展 ぐるっと花巻再発見! ~イーハトーブの先人たち~」の一環として「高村光太郎 書の世界」が開催されています。初公開のものを含め、11点の書が展示されています。

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12月15日(金)
テレビ朝日さんの「気づきの扉」で、詩人の松浦弥太郎氏の光太郎詩「最低にして最高の道」にまつわるエピソードが紹介されました。

12月16日(土)
小学館さんから、カトちゃんの花嫁さん著『歯のマンガ』が刊行されました。「智恵子抄」を含みます。詳しくは年明けにご紹介します。

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 12月27日(水)
 兵庫県西宮市甲東ホールさんにおいて、「新井俊稀 クラシカル・サロン・コンサート」が開催され、野村朗氏作曲「連作歌曲 智恵子抄」が演奏されました。

12月30日(土)
河出書房新社さんから、『温泉天国 ごきげん文藝』が発行されました。古今の32篇の温泉にまつわるアンソロジーで、光太郎の「花巻温泉」を含みます。

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いろいろあった一年でした。来年もそうであってほしいものです。


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【折々のことば・光太郎】

姿勢は河の如く、動勢は水の流れの如く。

散文「彫刻十個條」より 大正15年(1926)
 光太郎44歳


同じ文章で、「姿勢」は「ポオズ」とルビが振ってあります。

詩などの言葉の芸術では表現し得ないものを、彫刻に於けるポーズで、無言のまま表現すべし、との言です。

右は、光太郎直筆の揮毫。この句を書いています。