地方紙『福島民報』さんで、去る9日に二本松コンサートホールで開催された「智恵子抄とともに~野村朗作品リサイタル~」の様子が報道されました。 

歌曲「智恵子抄」を披露 二本松“古里”での演奏に感謝

 名古屋市の作曲家野村朗(あきら)さん(62)の作品を披露する演奏会「智恵子抄(ちえこしょう)とともに」は9日、二本松市コンサートホールで開かれた。野村さんが闘病しながら作曲した連作歌曲「智恵子抄」(高村光太郎作詞)などの曲が披露され、聴衆を魅了した。
 連作歌曲「智恵子抄」は「千鳥と遊ぶ智恵子」「あどけない話」「レモン哀歌」「間奏曲」「案内」の5つの曲で構成されている。バリトン歌手の森山孝光さんが高村光太郎の妻智恵子(二本松市油井出身)に向けた愛、失った悲しみといった心情を豊かな歌声で表現した。ピアノ奏者の森山康子さんが伴奏した。
 初演の歌曲「樹下の二人」(高村光太郎作詞)ではメゾソプラノ歌手星由佳子さん(南会津町出身)が伸びやかで澄んだ歌声を響かせた。倉本洋子さんがピアノ伴奏した。連作歌曲「智恵子抄巻末の短歌六首より」(高村光太郎作詞)、歌曲「願わくば」(三好達治作詞)なども発表した。
 野村さんは出演者とともにステージに立ち「多くの人の支えで念願だった智恵子の古里・二本松での演奏会が実現した」と感謝の言葉を述べた。
 慢性腎不全で40年以上闘病生活を送る中、詩集「智恵子抄」に出会い、連作歌曲「智恵子抄」を作曲した。智恵子や光太郎を顕彰する二本松市の団体「智恵子のまち夢くらぶ」「智恵子の里レモン会」の協力を得て開催を実現した。
( 2017/10/11 )

イメージ 1

聴衆に感謝の言葉を述べる野村さん(中央)

他紙でも報じられたかも知れませんが、ネットで確認できたのは民報さんだけでした。


ついでに二本松がらみでテレビ放映情報です。 

ミステリー・セレクション・湯けむりバスツアー桜庭さやかの事件簿1 露天風呂に浮かぶ遺体の謎…22年ぶりの兄妹対面で起こった兄殺し 欲望渦巻く故郷で迎えた驚愕の結末とは!!

BS-TBS  2017年10月18日(水)  14時00分~15時55分

高校生の娘と中学生の息子を持つシングルマザー・桜庭さやかは、ベテランバスガイド。しっかり者の子供たちに今日も起こされ、元気いっぱい仕事へと飛び出していく。今回のツアーは、猪苗代湖~安達太良山~会津若松を巡り、山形へと向かう旅。大盛り上がりのサンライズ商店街御一行様を前にさやかの名調子が冴える。ツアー客の中にはフラワーショップを営む佐野雄二と香織の兄妹も参加していた。2人はツアーの途中で22年ぶりに兄・修一に再会できることを楽しみにしていた。しかし、その兄が安達太良山で死体となって発見される。

萬田久子演じる、気は強いが人情に厚いベテランバスガイド・桜庭さやかと、葛山信吾演じる、イケメンなのにヘタレの年下運転手・富田林太郎、この2人の添乗するバスツアーで、ある殺人事件が起こる!
猪突猛進のさやかに富田林は振り回されタジタジになりながらも、2人は事件の核心へと迫る。そうして見えてきたのは、小さな幸せを一生懸命紡いできた人たちが踏みにじられていく悲しみ。そして迎える驚愕の結末・・・。
故郷への思いと、家族の情愛を美しい風景にのせて描く、湯けむり旅情サスペンス。桜庭と富田林との絶妙なコンビネーションにも注目!! どうぞお楽しみ下さい。

出演 萬田久子、葛山信吾、酒井美紀、石橋保、大浦龍宇一、未來貴子、伊藤洋三郎、斉藤暁、徳井優、竜雷太(他)


初回放映は地上波TBSさんで、平成21年(2009)。このシリーズは昨年まで、ほぼ年に1本のペースで続いていました。その第一弾として放映されたのが本作です。

イメージ 2

基本、磐梯熱海温泉さんでのロケが中心でしたが、発端となった事件の現場が安達太良山という設定で、冒頭部分、萬田さん演じるバスガイド・桜庭さやかにより「智恵子抄」「ほんとの空」の説明が為されています。

イメージ 3

イメージ 4

先頃ご紹介した<BSフジサスペンス劇場>『浅見光彦シリーズ22 首の女殺人事件』同様、こちらもBS放送で毎年のように再放送されています。

ぜひご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

物そのものは皆うつくしく あへて中間の思念を要せぬ。 美は物に密着し、 心は造型の一義に住する。

詩「月にぬれた手」より 昭和24年(1949) 光太郎67歳

花巻郊外旧太田村での蟄居生活、その絶対的孤独の中でたどり着いた境地が、万物に美を見いだすというものでした。東京にいた頃から、街頭の落葉にも美がある、的な捉え方はしていましたが、圧倒的な大自然に包まれての暮らしの中で、その思いは揺るぎないものとして実感せられたのです。

そしてその美を自らの手で再現する「造型」の意義も。しかし、かつての戦争協力に対する自らへの罰として、彫刻制作は封印中。その封印を解くまであと三年あまりです。