智恵子の故郷・二本松に隣接する福島県本宮市で、平成25年(2013)から「カナリヤ映画祭」というイベントが開かれています。主催はNPO法人「本宮の映画文化を継承する会」さん。本宮は、東宝さんの配給で、1965(昭和40)年に自主制作された映画「こころの山脈」(吉村公三郎監督、故・山岡久乃さん主演)の舞台となった街。それを記念してのイベントです。

元々、本宮では地元の映画館の協力で、小学生が授業の一環として映画を鑑賞、感想文や感想画を書くといった取り組みがなされていました。これを「本宮映画教室」と称したそうです。戴いた資料によれば、昭和32年(1957)から同39年(1964)までに、実に173本もの映画が「本宮映画教室」で上映されていました。しかし、子供たちに安心して見せられる良質な映画が少なくなり、それならば自分たちで作ってしまえというわけで、カンパで資金を集め作られたのが「こころの山脈」です。

安達太良山の麓、という土地柄、「智恵子抄」が一つのモチーフとして取り上げられています。ただ、興行的にはあまり成功したとは言えず、忘れられた名作といった感じです。

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そこで、地元の本宮で、この「こころの山脈」を見直そうと始まったのが、「カナリヤ映画祭」。2日間に分け「こころの山脈」他、良質な映画を何と無料で上映ということで、すばらしい取り組みです。当方、一昨年の第3回にお邪魔いたしまして、初めて「こころの山脈」を拝見しました。その際のレポートがこちら

ところが、昨年は「こころの山脈」の上映がなく、このブログではご紹介しませんでした。その後、NPO法人「本宮の映画文化を継承する会」さんの方にお会いしてうかがったところ、今後「こころの山脈」は隔年で上映という方向、とおっしゃっていました。

というわけで、今年の第5回では、「こころの山脈」の上映があります。

第5回カナリヤ映画祭

期 日 : 2017年9月16日(土)・17日(日)
会 場 : サンライズもとみや 福島県本宮市矢来39-1
日 程 :
 9月16日(土) 本宮方式映画教室の復活
   13:30 本宮駅前集合 映画の町ツアー開始
                         本宮映画劇場を見学後映画撮影場所などを訪ねる
   14:30 サンライズもとみや着  映画の町ツアー終了
   14:30 本宮方式映画教室開場 児童向け短編映画上映
        「きたかぜとたいよう」 「ザ ゴッサマー」 「五井先生と太郎」
        「眠れない夜の月」 「MARCH」
  16:30 「こころの山脈」 
 9月17日(日)
  9:20  開場
  9:40  開演
  9:50  「この世界の片隅に」 2016年作品 片渕須直監督 上映時間128分 託児所開設
  《昼休憩45分程》
  13:00 「花韮(ハナニラ)」 2017年作品 本宮高校製作 上映時間20分
  13:20 「MARCH」 2017年作品 MARCH製作委員会製作 上映時間35分
  14:15 「紬織」 2015年作品 文化庁製作 上映時間34分
  15:20 「湯を沸かすほどの熱い愛」 2016年作品 中野量太監督 上映時間125分
  17:50 「この世界の片隅に」 2016年作品 片渕須直監督 上映時間128分
  20:00 終了

主催 : カナリヤ映画祭実行委員会 NPO法人本宮の映画文化を継承する会

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「こころの山脈」以外にも、すばらしい作品が上映されます。

あまちゃん」の能年玲奈改めのんさんが声優を務め、話題となった「この世界の片隅に」。



東日本大震災の復興支援を目的とし、Jリーグが後援に入っている「MARCH」。原発事故で甚大な被害をうけた南相馬市のマーチングバンド「Seeds+」の奮闘を描いています。


宮沢りえさん主演の「湯を沸かすほどの熱い愛」。「とと姉ちゃん」に出演されていた杉咲花さんや、映画「FOUJITA」主演のオダギリジョーさんもご出演。


これらが無料で見られるというのですから、すばらしい。

ぜひ足をお運びください。


【折々のことば・光太郎】

フランスがフランスを超えて存在する この底なしの世界の都の一隅にゐて、 私は時に国籍を忘れた。 故郷は遠く小さくけちくさく、 うるさい田舎のやうだつた。

連作詩「暗愚小伝」中の「パリ」より 昭和22年(1947) 光太郎65歳

明治41年(1908)から翌年にかけてのパリ生活を題材にしています。真の芸術の有りように開眼すると同時に、その方面での後進国であった日本との比べようもない落差を感じ、父・光雲をピラミッドの頂点とする日本彫刻界との訣別が決意されました。