今週火曜日に開幕した三重県立美術館さんの「再発見!ニッポンの立体」展について、報道が為されています。

まず、地元紙『伊勢新聞』さん。

土偶や仏像、「ペコちゃん人形」 県立美術館 「立体」テーマの企画展

007 「立体」をテーマにした企画展「再発見!ニッポンの立体」が二十四日、津市大谷町の県立美術館で始まった。縄文時代の土偶から「ペコちゃん人形」まで、約百五十点の立体作品が並ぶ。四月九日まで。
  日本の立体作品は西洋の影響を受けた彫刻に注目が集まりがちだが、前近代の作品にも焦点を当てようと企画。人や動物などの実物に近づけた作品やユーモアを意識した作品など、コンセプトごとに展示した。
  平安時代の仏像や高村光太郎の彫刻作品「兎」、津市在住の中谷ミチコさんによるレリーフなど、県内外の作品を集めた。佐藤製薬の「サトちゃん人形」など、現代のマスコットキャラクターも並ぶ。
  田中善明学芸員は「かつては信仰の対象だった立体作品は、芸術や商業にまで広がりを見せているが、表現の方法は昔と通じているところがあるということを感じてもらえれば」と話していた。
  観覧料は千円(学生八百円、高校生以下無料)。午前九時半―午後五時まで。月曜休館(三月二十日は開館、同二十一日は休館)。問い合わせは県立美術館=電話059(227)2100=へ。


続いて主催に名を連ねる『読売新聞』さんの三重版。

日本の立体作品展 県立美術館で開幕

 縄文時代から現代までの立体造形作品を集めた展覧会「再発見!ニッポンの立体」(読売新聞社など主催)が24日、津市大谷町の県立美術館で始まった。
 高村光太郎など著名な作家の芸術作品だけでなく、ペコちゃん人形や縄文土偶、彫刻など多彩な作品154点を展示。一本の木を削り出した彫刻家棚田康司さんの作品「卓の少年―太陽―」「卓の少年―月―」は、独特な少年の表情が目を引く。
 同館学芸普及課長の田中善明さんは「日本の立体作品に西洋文化が与えた変遷を楽しんでほしい」と話している。
 4月9日まで。午前9時半~午後5時。月曜休館(3月20日は開館し、21日休館)。一般1000円、学生800円、高校生以下無料。問い合わせは県立美術館(059・227・2100)。
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009その後、同館サイトで出品目録がアップされました。それによると、光太郎作品は、ブロンズの「裸婦坐像」(大正6年=1917)、「大倉喜八郎の首」(同15年=1926)、それから、これまで巡回してきた群馬県立館林美術館さん、静岡県立美術館さんでは出ていなかったと思われる、木彫の「兎」(明治32年頃=1899頃)が並んでいます。右の写真は光太郎令甥・故髙村規氏によるものです。

光太郎の父、高村光雲の木彫はこれまで同様2点。「江口の遊君」(明治32年=1899)と「西王母」(昭和6年=1931)です。さらに、光雲の師・高村東雲の「西行法師像」(江戸時代後期)もでているとのこと。

お近くの方、ぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

冬は見上げた僕の友だ 僕の体力は冬と同盟して歓喜の声をあげる 冬よ、冬よ 躍れ、さけべ、腕を組まう

詩「冬の詩」より 大正2年(1913) 光太郎31歳

光太郎は「冬の詩人」と称されることもあります。実際に冬を好み、冬を題材にした詩を多く書いた他、その硬質な述志の詩句が、冬の厳しさを連想させるためです。

当方、この点には共感できませず、愛猫と一緒にコタツで丸くなっております(笑)。

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