10/10(月・祝)、智恵子の故郷・二本松にて菊人形を拝見、智恵子講座に参加し、さらに歴史資料館さんでの企画展を拝観したあと、旧安達地区の智恵子記念館および隣接する智恵子生家に向かいました。

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まずは智恵子記念館。歴史資料館さんと2館同時開催、という形で、「智恵子生誕一三〇年・光太郎没後六〇年記念企画展 智恵子と光太郎の世界」を開催中。普段展示しているもののうち、智恵子筆の油絵「ヒヤシンス」、デッサン2点、光太郎作の「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)中型試作」などは歴史資料館さんに移動、代わりに複製が展示されていたり、「貸出中」のプレートが置かれたりしていました。

目玉は智恵子紙絵の実物展示。二本松市としては24点の実物紙絵を所蔵しているそうですが、うち3点は歴史資料館さんで展示、智恵子記念館には10点が展示されていました。今年は智恵子生誕130年という節目の年で、岩手花巻の高村光太郎記念館さん(現在も企画展「智恵子の紙絵」開催中)、信州安曇野碌山美術館さん、そして東京千駄木の高村家で、実物紙絵を観る機会に恵まれていますが、やはり何度目にしてもいいものです。いつも書いていますが、厚さ1ミリ以下の作品の中に、微妙な紙の重なりや反りによる立体感が見て取れます。

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こちらは昔、記念館でゲットしたテレホンカード。この魚の紙絵も展示されています。

その後、同じ敷地内の生家へ。こちらでは、福島ビエンナーレの一環で、10/5(智恵子命日「レモンの日」)に、画家の小松美羽さんと、詩人の和合亮一氏のコラボによるアクションペインティング的なイベントが開催され、小松さんの作品がそのまま展示されています。

墨で襖や障子に描かれたモンスター。安達ヶ原の鬼婆伝説からのインスパイアです。

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小さいお子さんが見るとトラウマになってしまうのではないか、と心配してしまうほどの迫力です。ある意味、心を病んだ折の智恵子の内面を表しているようにも感じられました。光太郎曰くの「意識を襲う宿命の鬼」(詩「山麓の二人」 昭和13年=1938)です。

灯籠を使った作品もありました。

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2階の智恵子居室の公開も正式に始まっていました。

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先月行われた【高村智恵子生誕130年記念事業】原節子主演「智恵子抄」フィルム上映会の際に作成されたパネル、1回こっきりの使用ではもったいないということで、こちらに運び込まれていました。

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ビエンナーレによるこの状態が11/6(日)までだそうです。

ビエンナーレ関連の報道を紹介しておきます。

絵画、オブジェ…共演 二本松で現代美術ビエンナーレ開幕

 「福島現代美術ビエンナーレ」は8日、二本松市の大山忠作美術館などで開幕した。市内の各施設を舞台に国内外の芸術家の絵画やオブジェが一堂に展示されている。
 実行委員会の主催。大山忠作美術館には大山忠作氏の「菊」、松井冬子さんの「たちどころに破れた異物」など菊をテーマにした作家18人の絵画と陶芸合わせて24点が並ぶ。多彩な作品が来場者を魅了している。
 智恵子の生家には現代美術家小松美羽さんのふすま絵が展示されている。鬼婆(おにばば)伝説をモチーフにした絵が訪れた人の注目を集めている。
 主な会場は次の通り。問い合わせは道の駅安達 電話0243(61)3100へ。
 大山忠作美術館、市民ギャラリー、歴史資料館、県立霞ケ城公園(二本松の菊人形)、二本松工藝舘、県男女共生センター、大七酒造、千の花、智恵子の生家、観世寺、安達ケ原ふるさと村、道の駅安達
( 『福島民報』   2016/10/09)


【折々の歌と句・光太郎】

ほろほろと蓼のはなちる里川の水に輪をかく水すましかな

明治33年(1900) 光太郎18歳

画像は近所で愛犬との散歩中に撮ったイヌタデです。

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当方、「タデ」というとこればかりを思い浮かべていましたが、調べてみるといろいろ種類があるようでした。自宅兼事務所の庭に勝手に群生しているこれもタデの一種だそうです。

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