雑誌の新刊です。
月刊『美術手帖』2016年3月号「超絶技巧!!宮川香山と明治工芸篇」
2016/02/17 美術出版社 定価1,600円+税
SPECIAL FEATURE 超絶技巧!! 宮川香山と明治工芸篇 山下裕二=監修
PART1 “美しい畸形”の陶芸家を再発見せよ! 宮川香山
PART2 極限の技が炸裂する、職人魂に驚嘆! 明治工芸の“必殺”仕事人!!
PART3 3人の現代作家が迫る、技巧と表現の世界 現代の超絶技巧
他
少し前から再評価が進んでいる明治工芸、いわゆる「超絶技巧」の特集です。
メインで取り上げられているのは、真葛焼の陶工・宮川香山ですが、「PART2 極限の技が炸裂する、職人魂に驚嘆! 明治工芸の“必殺”仕事人!!」で、光太郎の父・光雲も取り上げられています。
また、光雲が代表作の一つ、「老猿」を出品した万国博覧会や、光雲も任ぜられた帝室技芸員制度などにも触れ、非常に示唆に富んでいます。
京都清水三年坂美術館さんの収蔵品による、いわゆる「超絶技巧」の数々を集めた企画展。光雲の木彫も展示され、一昨年の日本橋三井記念美術館さんを皮切りに、静岡佐野美術館さん、山口県立美術館さん、福島郡山市立美術館さん、富山県水墨美術館さんと巡回し、昨年末の岐阜県現代陶芸美術館さんでとりあえず終わりました。その間にはNHKさんの「日曜美術館」でも取り上げられています。
一過性のブームで終わることなく、今後も広く取り上げられてほしいものです。
【折々の歌と句・光太郎】
ちちのみのちち老いましてよねんなくしごとしたまふ春あさき日を
昭和8年(1933) 光太郎51歳
晩年の光雲を謳った短歌です。「ちちのみ」は「父のみ」。光雲が妻・わかに先立たれたことを表します。