新刊情報です。 
2015/10/1  成田健著  無明舎出版  定価 1200円+税

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版元サイトより

智恵子の生涯を丹念に自らの足で訪ね、光太郎の『智恵子抄』の作品世界に奥深く分け入りながら、一人の女性の軌跡をたどる文学紀行。

家系  戸籍名はチヱ/今も残る生家
小学生 成績が優秀/思いやりの深い人/女学校への進学
師の勧め 万能の成績/孤独な性格/総代として答辞
交友 師の勧めで進学/平塚らいてう回想/絵画への志向
表紙絵  絵画研究所へ/「青鞜」の表紙描く/新しい女性の一人
出会い  荒れる光太郎/智恵子に会う/光太郎の目覚め
あふれる思い 犬吠岬に遊ぶ/山上で婚約/結婚へ
冬日のあたたかさ 至福の時/初冬の景を鮮明に/智恵子の杜公園
簡素な美 清貧の日日/衣裳が簡素に/衣裳の美を語る
故郷の空 たびたびの帰郷/あどけない話/やはり明るい詩/夫婦石に二つの詩
さだめ 智恵子発病/東北の温泉巡り/川上温泉へ
千鳥が友 転地療養へ/募る病勢/九十九里浜の詩碑
昇天 入院、紙絵制作/智恵子逝去/ゼームス坂詩碑
みちのく 光太郎、花巻へ/智恵子を案内
ひとすじの人 父と智恵子の法要/智恵子を偲ぶ/「松庵寺」詩碑
若き日 失意の光太郎/智恵子の信愛/あの頃/回想
観音像 智恵子を像に/記念像制作へ/記念像完成
あとがき


本書は昨年から今年にかけ、地000方紙『北鹿新聞』さんに連載されたものだそうです。

お書きになった成田氏は秋田大曲にお住まいで、同じ無明舎出版さんから『文人たちの十和田湖』(平成13年=2001)なども上梓されています。「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」に触れて下さっていて、当方、十和田湖奥入瀬観光ボランティアの会さん刊行の『十和田湖乙女の像のものがたり』執筆に際し、参考にさせていただきました。

無明舎さんも秋田。秋田をはじめ東北に関わるまじめな出版物が多く、こういう出版社さんにはエールを送りたくなります。


『「智恵子抄」をたどる』は、もとが新聞連載ということもあり、わかりやすく端的に、ケレン味なくまとめられています。「智恵子抄」関連の紀行の入門編としては格好の一冊です。

先日の第21回レモン忌の前々日くらいに手元に届き、二本松に持参して宣伝してきました。智恵子生家近くの戸田屋商店さんがレモン忌主催の智恵子の里レモン会さんのメンバーでして、ぜひ置いてあげて下さい、とお願いしたところ、一昨日、戸田屋さんにお伺いしたら、「取り寄せておくよ」とのことでした。

版元のサイトから注文可能ですので、ぜひお買い求め下さい。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 10月14日

昭和13年(1938)の今日、智恵子の母校・日本女子大学校桜楓会の機関誌『家庭週報』に、智恵子の訃報が掲載されました。

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