昨日ご紹介したNHK Eテレさんの「趣味どきっ!女と男の素顔の書 石川九楊の臨書入門」同様、当方がちょっとだけお手伝いさせていただいたテレビ番組の情報です。  

グッド!モーニング

テレビ朝日 2015年9月25日(金) 4時55分~8時00分

テレビ・新聞・ネットの情報をまとめてお届け。もっと知りたいニュースをわかりやすく解説。天気や言葉のクイズに答えてプレゼントが当たる。「快適な朝」をお届けします。.

◇番組内容
視聴者に快適な朝をお届けする『グッド!モーニング』。テレビ・新聞・ネットからきょう話題になる情報をキャッチ!わかりやすい解説でニュースをチャージ!「ことば検定」「お天気検定」に参加しプレゼントをゲットしよう。林先生の「金曜言葉塾」で思わず「へぇ」と。Oggiスタイリストによる女子アナ衣装も出勤の参考に。

◇出演者
坪井直樹、松尾由美子、宇賀なつみ、依田司、山本里菜、林修、一色清


グッド!モーニング」はテレビ朝日さんで放映中の朝のニュース・情報番組です。

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その中で、毎週金曜日、「今でしょ」で知られる予備校の東進ハイスクール講師、林修氏による「林修の金曜言葉塾」というコーナーがあります。7時25分過ぎからCMをはさんで10分ちょっとの枠です。下記は今朝のオンエアから。


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おおむね、放映日前後の「○○の日」に合わせ、「○○」に関する文学作品や言葉などについての短い講義を林氏が行う、というコンセプトです。今朝のオンエアでは明日が「苗字の日」だそうで、苗字についてのお話でした。難読苗字、苗字の成り立ち、「姓」「名字」「苗字」の違いなど、「へぇ」と思わせるものでした。

さて、来週25日のオンエアで、光太郎が取り上げられます。

9月25日は、毎年、日比谷公園内のレストラン、日比谷松本楼さんで「10円カレーチャリティー」というイベントを行っています。こちらはユニセフさんとのタイアップで、午前11:00~、松本楼さんの看板メニューの一つであるカレーを先着1,500名に10円で振る舞い、代わりに募金をして貰うというものです。

日比谷松本楼さんといえば、当会の主催、毎年4月2日の光太郎忌日・連翹忌会場です。光太郎ゆかりのお店というわけで、平成11年(1999)から使わせていただいています。

日比谷松本楼さんと光太郎のつながりは、主に二つ。

まずは明治42年(1909)、欧米留学から帰国した年ですが、10月23日に日比谷松本楼さんで開催された「パンの会」大会の発起人に名を連ねています。

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パンの会」はフランスのカフェ芸術運動に倣って始まったもので、文芸誌『スバル』、美術雑誌『方寸』などに依っていた文学者、美術家、さらには演劇界などからも参加者があり、若き芸術家達が大いに気焔をあげた集まりでした。通常の会と、案内状まで発行された大会の二種があり、日比谷松本楼さんでも大会が一度開かれています。


それからもう一点、大正元年(1912)発表の詩「涙」です。

    涙

 世は今、いみじき事に悩み
 人は日比谷に近く夜ごとに集ひ泣けり004
 われら心の底に涙を満たして
 さりげなく笑みかはし
 松本楼の庭前に氷菓を味へば
 人はみな、いみじき事の噂に眉をひそめ
 かすかに耳なれたる鈴の音す
 われら僅かに語り
 痛く、するどく、つよく、是非なき
 夏の夜の氷菓のこころを嘆き
 つめたき銀器をみつめて
 君の小さき扇をわれ奪へり
 君は暗き路傍に立ちてすすり泣き
 われは物言はむとして物言はず
 路ゆく人はわれらを見て
 かのいみじき事に祈りするものとなせり
 あはれ、あはれ
 これもまた或るいみじき歎きの為めなれば
 よしや姿は艶に過ぎたりとも
 人よ、われらが涙をゆるしたまへ

「われら」は結婚前の光太郎と智恵子です。「いみじき事」は明治天皇の危篤。人々が天皇の平癒祈願のため皇居周辺に集まって「涙」を流している中、自分たち二人は自分たちの恋愛問題で「涙」を流している、という構図です。

来週オンエアの「林修の金曜言葉塾」では、この詩が取り上げられます。内容の確認で、少しだけお手伝いをさせていただきました。ただ、ディレクター氏からの文書には「企画段階であり、放送では内容が変更となる場合がございます。」とありました。そうならないことを祈ります。

時折、日比谷松本楼さんがテレビ等で取り上げられる場合に、やはりこの詩が紹介されます。テレビ東京系のBSジャパンさんでは、平成24年(2012)に「小林麻耶の本に会いたい」という番組で、山田五郎さんによるこの詩のレクチャーがありました。

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ちなみに日比谷松本楼さんの「10円カレーチャリティー」、前日から泊まり込みで並ばれる方もいるそうです。このカレーも、もしかすると光太郎智恵子が口にしたかも知れません。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 9月18日

昭和4年(1929)の今日、改造社から『現代日本文学全集 第三十八編 現代短歌集 現代俳句集』が刊行されました。

光太郎も自選短歌44首を寄せています。

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