新刊情報です。

未来を拓く 学校の力 地域と学校の心触れ合う教育活動

2015/1/31 全国連合退職校長会編 東洋出版社刊 定価 2,400円+税

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版元サイトより

全国より選りすぐられた特色ある学校の教育活動を紹介する。地域と学校の教育力のすばらしさを改めて感じられる。

第1章 郷土の偉人・歴史・文化に学ぶ008
第2章 地域の特色を生かした教育活動
第3章 災害からの学びと復興・防災教育
第4章 当面する教育課題への取組
第5章 世界とつながる・世界に羽ばたく


このブログで何度かご紹介してきた、東京都荒川区の第一日暮里小学校さんの事例が報告されています。同校は光太郎の母校です。昨秋には、日本学校図書館学会研究推進校研究発表会が開催され、公開授業の一つで光太郎が取り上げられました。

ご執筆は、同校前校長の天野英幸氏。「バトンを繋ぐ」と題し、学校図書館の活用により、6年生の総合的な学習の時間に於ける、先輩・光太郎についての調べ学習や、全校生徒による光太郎詩の群読などについて述べられています。

感心したのは、単なる調べ学習に終わるのでなく、「先輩の優れた生き様に学び、後輩に伝えようと「光太郎のバトンを渡そう」という学習活動」にしていること。そして、「この学習を通して、子どもたちが豊かな感受性と言語能力を磨くと共に、「自分も第一日暮里小学校の先輩になる」ことを強く意識できるようになることが大きな成果となっている。」とのことです。

右の画像は、同校の学校案内パンフレットです。下の方に、「校訓」ということで、光太郎の言葉「正直親切」が載っています。

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元々は、昭和26年(1951)、花巻郊外太田村の山口分教場が小学校に昇格した際に校訓として贈った言葉ですが、同校もこれを校訓とし、正門前にはこの書を刻んだ碑も建っています。

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こちらは『未来を拓く 学校の力 地域と学校の心触れ合う教育活動』掲載の画像です。

『東京新聞』さんには書評が出ました。 

地域の歴史、震災から学ぶ防災など 全国の特色ある教育活動を本に

 全国連合退職校長会(戸張敦雄会長)は設立五十年を記念して、全国各地の特色ある学校の教育活動をまとめた本「未来を拓(ひら)く 学校の力」(東洋館出版社)を発行した。
 全連退は全国都道府県にある退職校長会の連合体で、国の教育振興や研究支援、関連する出版事業を行っている。学校の力は「郷土の偉人・歴史・文化に学ぶ」「地域の特色を生かした教育活動」「災害からの学びと復興・防災教育」など五章からなり、退職校長会推薦の全国小中学校、高校の優れた約五十事例を写真付きで紹介している。
 うち、創立百二十九年の東京都荒川区立第一日暮里小学校は、卒業生の彫刻家で詩人の高村光太郎について、六年生が毎年、彫刻や詩、文献などから生き方を調べ、学び、後輩に伝えるリポートを作成している。
 東日本大震災被災地の岩手県釜石市立小・中学校は、「子どもの安全」をキーワードに、津波に備えることが当たり前という文化をつくり、学校、保護者、地域が何をしなければならないかを考え、実践継承する防災教育に取り組む。
 全連退・出版事業委員長の木山高美さんは「地域と学校の心触れ合う教育実践から郷土に誇りと愛着心を養う学校の力を読み取ってほしい」と話す。A5判、二百十四ページ。二千四百円(税別)。一般書店で扱っている。(沢田一朗)
2015年3月18日


智恵子の母校、福島二本松の油井小学校さんでは、当方、一昨年昨年と特別授業にお邪魔しましたが、智恵子顕彰に取り組まれています。また、5月15日の花巻光太郎祭では、山口小学校の後身・太田小学校さんや、同じく太田中学校の後身・西南中学校さんの児童生徒の皆さんが、詩の朗読や合唱、合奏で花を添えてくれています。
 
このように、小さな頃から自然と顕彰活動に取り組むことで、子供たちに自然と光太郎智恵子への敬愛の念が育ってゆくのではないでしょうか。
 
今後も継続的に取り組んでいっていただきたいものです。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 3月22日

平成16年(2004)の今日、二玄社から小池邦夫編 『芸術家・文士の絵手紙』が刊行されました。

光太郎の絵手紙も三通紹介されています。

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明治40年(1907)、留学先のロンドンで、同じくロンドン在住の画家・南薫造に宛てたもの、そして戦後、花巻郊外太田村の山小屋から、甥の高村規、姪の高村珊子に送ったものです。

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ふきのとうを描いたものは、4月6日付け。岩手ではこの時期に雪の下から出てくるのですね。

当方自宅兼事務所のある房総では、とっくにふきのとうが出ています。近々採集してきて、愚妻に天ぷらにしてもらうつもりでおります。