新潮社さんで発行している『波』というPR誌があります。

現在発売中の4月号から、絵本作家・編集者の末盛千枝子さんの連載「父と母の娘」がスタートしています。
以前にも書きましたが、末盛さんは光太郎と交流のあった彫刻家、故・舟越保武氏のご息女です。「千枝子」というお名前は、光太郎が名付け親とのこと。今年の花巻光太郎祭(5/15(木))では末盛さんを講師に招き、記念講演をしていただくそうです。
「父と母の娘」、第1回はその光太郎による命名、そして偉大な芸術家に名前を付けてもらってのプレッシャーなどについてのお話が書かれています。そうしたお話は、昨年の12月に代官山のクラブヒルサイドさんで開催された「読書会 少女は本を読んで大人になる」でお聴きしましたが、非常に興味深い内容です。
『波』、他にも津村節子さんの連載「時のなごり」等も載っています。今月号は「震災から三年」。夫の故・吉村昭さんともども三陸の田野畑村と縁の深い津村さんですが、近著『三陸の海』に関わる内容となっています。
ぜひお買い求めを。
ところで末盛さんのお父様、故・舟越保武氏関連の展覧会が、今週末から東京オペラシティーアートギャラリーで開催されます。
同館サイトから。
[特別展示]舟越保武:長崎26殉教者 未発表デッサン
舟越保武(1912-2002)は、清新な造形のなかに深い精神性をたたえた数々の作品によって、日本の近代彫刻史に大きな足跡を残しました。作風の重大な転機は戦後まもなく、長男の急死を契機にカトリックの洗礼を受けたことでした。その8年後の1958(昭和33)年《長崎26殉教者記念像》の制作に着手、完成までに4年半を費やし、後年「作家生命を賭けるつもり」だったと述べる この作品によって、第5回高村光太郎賞を受賞。以後、島原の乱の舞台・原城跡で着想を得た《原の城》やハンセン病患者の救済に命を捧げた《ダミアン神父》をはじめ、キリスト教信仰やキリシタンの受難をテーマにした数々の名作を制作します。
そうした観点から、《長崎26殉教者記念像》は舟越芸術の原点と呼べる重要な作品といえるでしょう。
《長崎26殉教者記念像》のためのデッサンは98点を数えます。粘土でつくった聖フランシスコ吉(きち)像の顔に舟越は敬虔なクリスチャンだった父の面影を見たそうですが、《長崎26殉教者記念像》は舟越の父への贖罪と再生の記念碑というべき作品に違いありません。
主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:日本生命保険相互会社
協賛:日本生命保険相互会社
会場:ギャラリー3&4(東京オペラシティ アートギャラリー 4F)
期間:2014.4.19[土]─ 6.29[日]
開館時間:11:00 ─ 19:00(金・土は11:00 ─ 20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(ただし、4月28日、5月5日は開館)
特別展示入場料:200円
期間:2014.4.19[土]─ 6.29[日]
開館時間:11:00 ─ 19:00(金・土は11:00 ─ 20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(ただし、4月28日、5月5日は開館)
特別展示入場料:200円

「長崎26殉教者」 高村光太郎賞記念作品集『天極をさす』より
こちらもぜひ足をお運び下さい。
【今日は何の日・光太郎 補遺】 4月15日
明治44年(1911)の今日、神田淡路町に開いた画廊・琅玕洞(ろうかんどう)を、僅か1年で閉じました。
昨年の今日のブログでは、琅玕洞開店について書きました。日本初の画廊ともいわれ、光太郎も気合いを入れて開いたのですが、現実は厳しく、ちょうど1年で閉店です。
詳しくはこちら。