10月となりました。
 
10月前半に行われるイベント情報は紹介しましたが、10月後半のイベントを何回かに分けてご紹介します。
 
まず、ピアニスト荒野愛子(こうのあいこ)さんのコンサート。
 
荒野さん、平成18年(2006)にリリースされた「オトヒトシズク」というピアノインストゥルメンタルのオリジナル曲を集めたアルバムで、「レモン哀歌」という曲をラインナップに入れられました。
 
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さらに10月20日には以下のアルバムがリリースされます。 

『智恵子抄』による ピアノとクラリネットのための小曲集

荒野愛子 ピアノ010
新實紗季 クラリネット
 
1. アトリエにて
2. 人類の泉
3. 深夜の雪
4. 僕等
5. 樹下の二人
6. あどけない話
7. 分岐
8. 風にのる智恵子~千鳥と遊ぶ智恵子
9. 値ひがたき智恵子
10. 同化
11. 終曲Ⅰ--亡き妻智恵子
12. 終曲Ⅱ--夜風も絶えた


さらにCDの発売を記念してコンサートも開かれるそうです。
 
<日時> 2013年10月26日(土) 開場 18:00  開演 18:30
<出演> 荒野愛子 ピアノ  新實紗季 クラリネット  田辺日太 朗読
<料金> 2,500円
<場所> 両国門天ホール 墨田区両国1-3-9 ムラサワビル1-1階 Tel:080-3172-3891(黒崎)

 
荒野さんブログ http://aikokono.blogspot.jp/
 
光太郎の詩を歌詞にしたり、あるいはオリジナルの詩を作ったりで、歌で光太郎智恵子の世界を取り上げるケースは結構ありますが、インストゥルメンタルでどのようにその世界を表現されるのか、非常に興味があります。
 
コンサートにはぜひ行きたいのですが、同じ日に福島川内村での草野心平忌日の集い「かえる忌」があり、講演を頼まれており、そちらに参ります。残念です。
 
【今日は何の日・光太郎】 10月1日

明治39年(1906)の今日、ニューヨークの美術学校・アート・スチューデント・リーグの夜学に通い始めました。
 
講師には、それ以前に光太郎を通勤助手として雇ってくれた彫刻家のガットソン・ボーグラムがいました。
 
ボーグラムはその名前より作品で有名です。代表作は、どなたも一度は画像や映像でご覧になったことがあるのではないでしょうか。これです。画像はフリー百科事典「ウィキペディア」さんからお借りしました。
 
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現在でもアメリカの観光案内などでよく紹介されるもので、サウスダコタ州キーストーンにあるマウント・ラッシュモアの岩壁に作られた巨大彫刻です。制作は1927(昭和2年)~1941(同16年)。モチーフはすべてアメリカ大統領のワシントン、ジェファーソン、ルーズベルト、そしてリンカーン。
 
ボーグラムはこの作品以前にもジョージア州のストーンマウンテンの岩壁に作られた、南北戦争の英雄、リー将軍やジャクソン将軍などの巨大レリーフを手がけています。こちらは1910年代。ただ、途中でスポンサーと対立して手を引いていますが。
 
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昭和26年(1951)に発表された光太郎の談話筆記「青春の日」によれば、このレリーフを作る際、ボーグラムは光太郎に手伝いに来いと手紙を送ったそうです。
 
しかし光太郎、こういう彫刻には関心を示せず、また、ボーグラムに対しても人間的には尊敬していたようですが、彫刻家としては余り高い評価を与えていなかったようで、協力要請を断っています。
 
歴史に「たら・れば」は禁物ですが、もし断らずに、このレリーフや後のマウント・ラッシュモアの巨大彫刻などのプロジェクトに参加していれば、光太郎の名も今とは違った形で伝わっているのではないかと思います。