福島発のイベント情報です。 

【募集中】智恵子さんの故郷/福島で「ほんとの星空」、体験できます。

標高1,575メートル。一般公開されている天文台の中では、日本で最も星空に近いのが浄土平天文台(福島市)。「智恵子は東京に空がないという。ほんとの空が見たいという」(あどけない話/高村光太郎)。智恵子さんの故郷/福島で「ほんとの星空」、体験できます。
 
浄土平秋の星空観察バスツアー(お弁当付き)は9月27日(金)18:00出発です。お申し込みは9月20日(金)まで!お一人様3,800円、募集定員は40名様(^_^)
詳しくはこちらから!
≪旅*東北イベント情報≫
 
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【今日は何の日・光太郎】 9月18日

平成9年(1997)の今日、講談社から津村節子著『智恵子飛ぶ』が刊行されました。
 
津村さんは芥川賞作家。夫はやはり作家の故・吉村昭氏。一昨年、吉村氏の闘病の日々を綴ったノンフィクション小説『紅梅』が話題となりました。
 
『智恵子飛ぶ』は、講談社の雑誌『本』に平成7年(1995)から連載されていた長編小説で、智恵子を主人公としています。光太郎智恵子と同じく芸術家夫婦であった津村さん独自の視点が随所に見え、すぐれた作品です。
 
刊行翌年の平成10年(1998)にはこの小説で芸術選奨文部大臣賞受賞、同12年(2000)には新橋演舞場で片岡京子さん(智恵子)、平幹次郎さん(光太郎)主演で舞台化されています。
 
この時の智恵子役は、当初、大物女優のMでしたが、身内の薬物事件で初日1週間前に降板を発表、もともと妹セキの役だった片岡さんが急遽智恵子役に抜擢され、見事に演じきりました。
 
舞台『智恵子飛ぶ』は同13年(2001)には京都南座で京都公演も行われました。智恵子役は同じく片岡京子さん、光太郎役は近藤正臣さんでした。
 
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智恵子役の片岡さん、セキ役は渡辺多美子さん、ともに1週間で仕上げてしまうのですからプロはすごいものです。右下は当時のスポーツ紙の記事です。
 
ちなみに以前も書きましたが、片岡017さんのお父さん、仁左衛門さんは「片岡孝夫」時代の昭和48年(1973)にNHKの銀河テレビ小説「生きて愛して」で光太郎役を演じられました。当方、この番組は記憶に残っていません。「片岡孝夫」というと「眠狂四郎」のイメージです……。
 
津村節子さんの『智恵子飛ぶ』、その後、平成12年(2000)には講談社文庫に入り、さらに平成17年(2005)から刊行が始まった岩波書店の『津村節子自選作品集』にも収められています。
 
文庫化の際にはハードカバーの内容を一カ所訂正したそうです。時代考証的に事実と合わないところがあったとのこと。
 
その経緯は津村さんのエッセイ「筆を執るまで」(『似ない者夫婦』平成15年=2003河出書房新社所収)に書かれていますが、曰く「小説といえども、あり得ぬことは書きたくない」。すばらしい。
 
津村さん、以前は光太郎忌日の連翹忌の集いにもご参加いただいていましたし、今もこちらから何かお送りするとご丁寧にお礼状を返して下さいます。これもすばらしい。
 
『智恵子飛ぶ』、『似ない者夫婦』、ぜひお読み下さい。