今日は第67回千葉県合唱祭に参加してきました。これは、千葉県合唱連盟に加盟している合唱団が、6/3、6/10、6/17の3日間、3会場に分かれて発表し合うというものです。コンクール形式ではないので、コンクールでは全国大会常連の団から、結成して日の浅い団まで、老若男女、混声・男声・女声、それぞれの持ち味を生かした合唱が聴けます。
 
当方の所属する合唱団は、光太郎の朋友・吉井勇作詞の「ゴンドラの歌」他1曲を歌いました。なぜか客席から「bravo!」の声が。それなりに存在感を示せたのではないかと思っています。
 
さて、当方の所属する合唱団の3つ後は、船橋を拠点とする歴史ある男声合唱団、HGメンネルコールさんの演奏でした。曲目は先日のブログで紹介した清水脩作曲の「智恵子抄巻末のうた六首」。男声合唱では定番の曲の一つなのですが、当方、生演奏で聞くのは初めてで、ラッキーでした。詩集「智恵子抄」に収められた短歌六首を無伴奏合唱曲にしたものです。

 ひとむきにむしやぶりつきて為事(しごと)するわれをさびしと思ふな智恵子
 気ちがひといふおどろしき言葉もて人は智恵子をよばむとすなり
 いちめんに松の花粉は浜をとび智恵子尾長のともがらとなる
 わが為事いのちかたむけて成るきはを智恵子は知りき知りていたみき
 この家に智恵子の息吹みちてのこりひとりめつぶる吾(あ)をいねしめず
 光太郎智恵子はたぐひなき夢をきづきてむかし此所に住みにき
 
一時期、それがあまり作られず不満に思っていたのですが、このところ、光太郎作詞、というか光太郎の詩に曲を付けた合唱曲がまた少しずつ世に出ています。
 
智恵子の母校、福島高等女学校の後継校である福島県立橘高等学校合唱団さんは、光太郎の詩に曲を付けた鈴木輝昭氏の作品(委嘱作品だと思われます)で、ここ3年間、全日本合唱コンクール全国大会入賞を続けています。平成21年が「レモン哀歌」(金賞)、22年が「裸形」(銀賞)、昨年が「亡き人に」(銀賞)。橘さんの入賞自体はその前からですが、光太郎作品で、というのが嬉しいですね。智恵子の後輩達、頑張っています! ちなみにCDも発売されています。

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それから別の鈴木氏ですが、昨年から今年にかけ、鈴木憲夫氏作曲の合唱曲「レモン哀歌」の女声版混声版がカワイ出版から相次いで出版されましたし、合唱ではありませんが同じ鈴木憲夫氏の「歌曲集レモン哀歌」も出版されています。

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こうした分野でももっともっと光太郎が取り上げられ、それを演奏する人、聴く人が、光太郎・智恵子の世界に興味を持ってくれれば、と思っております。