既知のものですが、光太郎書簡が展示されます。

茨城大学五浦美術文化研究所所員企画展2022 「つなぐ人 つなぐ文―手紙に「見る」そのひとらしさ―」

期 日 : 2022年11月8日(火)~11月21日(月)
会 場 : 茨城大学図書館本館1階展示室 茨城県水戸市文京2-1-1
時 間 : 10:00~16:45
休 館 : 11月13日(日) 11月19日(土) 11月20日(日)
料 金 : 無料

その人らしさが表れる手紙。手紙は当事者間でやり取りするものですから、本来なら本人以外は見ることができないものです。本展は、横山大観、木村武山など五浦ゆかりの画家や大観が認めた小川芋銭、高村光太郎などの手紙に表れる「そのひとらしさ」に触れてみようという企画です。彼らの手紙は草書や変体仮名が使われ、しかも筆を走らせているため、知識がないと「読めない」です。でも、「線」や「書きぶり」を見ることはできます。太さ、細さ、強さ…様々な表現に感じられる「そのひとらしさ」を体験して「読まない」鑑賞をしてみませんか。

ぜひお誘いあわせの上、ご来場ください。

※事前予約が必要です。入場申込 からお申し込みください。)。
※新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、例年より規模を縮小しての開催といたします。
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関連企画

「つなぐ人 つなぐ文―手紙に「見る」そのひとらしさ―」記念講演会
 会  場 : 茨城大学 図書館 本館3階 ライブラリーホール
 会  期 : 令和4年11月12日(土)
 開演時間 : 13:25~15:50
 講演1 「小川芋銭の芸術」 小泉晋弥(茨城大学名誉教授・美術評論家)
  大観はなぜ、芋銭を日本美術院同人に推挙したのか、
  その問いから、明治から大正にかけての日本画の展開を考えてみます。
 講演2 「光太郎と宮崎稔」 安裕明(茨城県立多賀高等学校講師)
  高村光太郎と小川芋銭を繋いだ宮崎稔。取手の宮崎仁十郎、稔父子を通じ、
  芋銭と光太郎の交流についてお話しします。

  ※開場は13:10~となります
  ※事前予約が必要です。参加申込 からお申し込みください。
  ※先着順となりますので、予めご了承ください。

展示される光太郎書簡は、昭和17年(1942)2月28日付のもの。茨城取手の詩人・宮崎稔に送られた葉書です。宮崎は戦後、光太郎の仲介で、智恵子の最期を看取った智恵子の姪・春子と結婚しています。
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光太郎が落款等に愛用していた、齋白石制作の印について述べられており、興味深い内容です。また、内容のみならず、味わい深いその文字も魅力的ですね。

関連企画の講演会でも、宮崎と光太郎について触れられるようです。

お近くの方、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

麻布中学生20人相模湖にて遭難のラジオ、


昭和29年(1954)10月8日の日記より

この頃の光太郎日記には、ほとんど社会情勢などに関する記述がないのですが、この日は別でした。後に「内郷丸遭難事件」と呼ばれるようになる事故で、新制麻布中学校の生徒22名が、相模湖で載っていた遊覧船の沈没により亡くなったという痛ましいものです。前途有為な少年たちの死ということで、よほど印象に残ったのでしょう。