信州安曇野の碌山美術館さん。光太郎の親友だった彫刻家・碌山荻原守衛の個人美術館ですが、光太郎、柳敬助ら、守衛の周辺にいた作家の作品も収蔵、展示なさっています。

現在、コレクション展的な「中村屋サロンの芸術家たち」が開催されていて、光太郎の「裸婦坐像」(大正5年=1916頃)、「十和田湖裸婦像のための小型試作」(昭和27年=1952)も展示されています。
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出品目録的には以下の通りです。

彫刻11点
 戸張孤雁 《をなご》1910年  《足芸》1914年
 中原悌二郎 《老人》1910年 《若きカフカス人》1919年 《憩える女》1919年
 高村光太郎 《裸婦坐像》1916年頃  《十和田湖裸婦像のための小型試作》1952年
 保田龍門 《臥女》1924年 《裸婦立像》1927年
 堀進二 《中原悌二郎像》1916年 《中村彝氏頭像》1969年
平面(デッサン、油彩等)(12点)
 荻原守衛 《こたつ十題其一》1910年頃 《こたつ十題其二(複製)》1910年頃
  ※会期中入れ替えます
 戸張孤雁 《荒川堤》1910年《橋を渡る農婦》制作年不詳
 柳敬助 《荻原守衛肖像》1910年頃 《千香》1910年頃 《婦人》1910年
 齋藤与里 《花あそび》1950年 《山峡秋色》1957年
 鶴田吾郎 《窓辺》制作年不詳 《ネパール国境のヒマラヤ》制作年不詳
      《リガ》制作年不詳

そちらの関連行事として、市民講座が開かれます。

美術講座「中村屋サロン展の作家たち」

期 日 : 2022年9月10日(土)
会 場 : 碌山美術館 杜江館2階 長野県安曇野市穂高5095-1
時 間 : 18:30~20:00
料 金 : 無料
講 師 : 武井敏氏(碌山美術館学芸員)


ご興味のある方、コロナ感染には十分お気を付けつつ、ぜひどうぞ。

ところで碌山美術館さんというと、本館に当たる碌山館修繕のためのクラウドファンディングが、明日まで実施されています。

当初目標額は700万円でしたが、あっという間にそれを達成、その後も寄附の勢いとどまらず、「セカンドゴール」に設定されていた1,000万円、「サードゴール」の1,800万円もクリア。今朝の段階で2,100万円を突破しています。

世の中、まだまだ捨てたものではないなと実感させられました。繰り返しますが、明日までの実施です。さらなる支援をよろしくお願いいたします。

【折々のことば・光太郎】

小屋の中ゐろりでいろいろ撮影、井戸水くみ、大根きざみ、スルガさん宅でそば食を皆でやる。

昭和28年(1953)11月27日の日記より 光太郎71歳

生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」制作のため帰京して以来、およそ1年2ヶ月ぶりに帰った花巻郊外旧太田村の山小屋(高村山荘)。

前日に続き、この日もブリヂストン美術館制作の美術映画「高村光太郎」の撮影が行われました。
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光太郎帰村についての報道については、こちら