昨日は都内に出、3件ほど用件を済ませて参りました。

メインは新宿区の矢来能楽堂さんで開催された「癒しの響き 鐘シンフォニーへの誘い CD発売記念コンサート in矢来能楽堂」拝聴でした。

若干早く最寄りの神楽坂駅に着いてしまったので、駅近くでたまたま見つけた書店兼ギャラリー兼カフェに。中に入ると、「あれっ、ここ、来たことあるな」と思い出しました。平成26年(2014)、こちらで開催されていた「えがく展 7人の絵描きと10冊の本」で、『智恵子抄』も取り上げられていたので拝見に来ていました。こういうこともあるのですね。

とにかく暑かったので、アイスコーヒーを頂き、汗を引かせてから会場へ。
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まず楽屋に寄り、和編鐘奏者の有機音(ゆきね)さんにご挨拶。さらに客席へ。今回、「智恵子抄より「愛はすべてをつつむ」」がプログラムに入っていて、その演奏前に「高村光太郎連翹忌運営委員会代表の方が会場にいらして下さっています」的な紹介をするというので、司会の方などと打ち合わせ。そんな大した者ではないのですが(笑)。

舞台には既に和編鐘がセッティングされていました。
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鋳金製の鐘が39個。音域的には3オクターブですね。これをマレットで叩いて音を鳴らす仕組みです。昨秋、代々木能舞台さんでの「和編鐘コンサート in 代々木能舞台 響きにつつまれていのちの煌めきの中へ 智恵子抄 愛と絆の調べ」の際に初めて拝聴しましたが、楽器でありながら自然の音に近いような感もありましたし、かなりの音量になりながら耳に優しいという不思議な楽器です。

その後、受付でパンフレットを拝受。
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さらに今回の演奏会が「CD発売記念コンサート」と銘打っていまして、チケットが「CD付」と「CDなし」の2種。当方は「CD付」を購入していましたので、下記のCDを拝受しました。
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こちらには「智恵子抄」系は収められていませんが。キングレコードさんから先月のリリースです。

さて、開演。2部構成で、第Ⅰ部は「鐘(和編鐘)シンフォニー」。昨秋の代々木でのステージにも出演された河崎卓也氏の朗読で、古典や近現代の短歌、そしてそれらからインスパイアされた和編鐘の調べ。鐘の音が時に風のように、また川のせせらぎのように、さらには海の波のようにという感じでした。
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休憩を挟んで第Ⅱ部。こちらでは3曲演奏され、冒頭が「智恵子抄より「愛はすべてをつつむ」」でした。
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語りは菜月ひとみさん。光太郎詩の朗読は「千鳥と遊ぶ智恵子」(昭和12年=1937)一篇で、それ以外は光太郎智恵子の半生的な説明調。彼らについてあまりご存じない方には親切だなと思いました。

さらに「額田王歌物語より「煌めく歌人」」。第Ⅰ部にも登場された河崎さんが朗読、そこにまつながまきさんという方の舞。飛鳥時代ということで、高松塚古墳の壁画のような衣装が印象的でした。最後は「呂律の調べ」。はし本はるえさんという方の十七絃箏とのコラボ。いろいろバリエーションに富んだ構成でした。

終演後。
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左からまつながまきさん、河崎卓也さん、菜月ひとみさん、有機音(ゆきね)さん、はし本はるえさん。皆さんの今後のご活躍にも期待いたします。

今後といえば、有機音さん、今秋にも神戸で智恵子抄系をプログラムに入れた演奏会をなさって下さるそうで、ありがたいところです。詳細がわかりましたらまたご紹介いたします。

【折々のことば・光太郎】

午后「毎日グラフ」の人3人くる、撮影、談話、

昭和28年(1953)6月6日の日記より 光太郎71歳

生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」原型が完成したという話を聞きつけて来たようです。7月1日発行号に大きく写真が載りました。除幕前にネタバレ的に出してしまってよかったのかな、という感じですが。
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