2件ご紹介します。

まずは、諏訪・上伊那地域で発行されている『長野日報』さん。少し前ですが、4月5日(火)の一面コラム。

八面観 2022年4月5日付

 星の数はどれほどある?。ものの本によると太陽系を含む銀河系には太陽のような恒星が1千億~2千億あると推定され、全宇宙にはこうした銀河が1千億個はある。つまり星の数は1千億個の1千億倍以上…読んでいて目がくらんだ▼江戸時代の僧で歌人良寛さんの歌が浮かぶ。〈淡雪の中にたちたる三千大千世界(みちあふち) またその中に沫雪ぞ降る〉。三千大千世界とは仏教の世界観で、須弥山を中心とした一つの世界を千倍し、また千倍し、さらに千倍した広大無辺の宇宙を表すという▼無数にあっても見上げる空の星はまばらで、夜は暗い。途方もない空間の広がりを考えると、宇宙を測る物差しはスケールが違う。そんなことを思わせる報道が1月にあった。直径1キロの小惑星が地球に約200万キロメートルの距離まで最接近したというニュースである▼200万キロと聞いてもピンとこないが、地球と月の距離の5倍以上離れていると聞くとそれほど近いとも思えない。宇宙的な尺度からすると軒先をかすめるような近さなのか、地球に衝突する可能性もある「潜在的に危険な小惑星」に分類されると聞いてただ驚く▼トンガ沖での海底火山噴火があったころで、自然と向き合う人間の尊さを思い、高村光太郎の詩「火星が出てゐる」を読んだ。〈おれは思ふ、人間が天然の一片であり得る事を。おれは感ずる、人間が無に等しいが故に大である事を〉

詩「火星が出てゐる」(大正15年=1926作)、全文はこちら

続いて『週刊長野』さん。『信濃毎日新聞』さんと提携し、土曜日に折り込まれているタウン紙のようです。長野県立美術館さんの「善光寺御開帳記念 善光寺さんと高村光雲 未来へつなぐ東京藝術大学の調査研究から」について。

県立美術館「善光寺と高村光雲」展 仁王像の制作過程紹介

 県立美術館で「善光寺御開帳記念 善光寺さんと高村光雲」(県、信濃毎日新聞社など主催)が開かれています。大正時代に高村光雲らが手掛けた善光寺仁王門の仁王像の制作過程などを紹介しています。
 現在ある仁王門は1918(大正7)年に再建。仁王像と裏側に安置されている三宝荒神、三面大黒天の計4像は、依頼を受けた高村光雲と弟子の米原雲海が作りました。
 光雲らは、粘土の原型から石こう像を作り、そこから実物より小ぶりな木造のひな形を制作。それを3〜4倍に拡大して高さ6メートルある仁王像などにしました。学芸課長の霜田英子さんは「当時最先端の西洋の塑像の技術と、伝統的な寄せ木造りの技法を融合して作られた」と話します。
 会場には、善光寺史料館が所蔵する4像のひな形=写真上、制作工程を伝える光雲の制作日誌やスケッチなどを展示しています。
  ほかに仏像制作の技術革新について、東京芸術大の研究室による最新の研究成果も紹介。会場内では、AR(拡張現実)技術を使い、スマートフォンなどでQRコードを読み取ると仁王像の3D画像データ=写真=が見られるようにしています。
 水曜日(5月4日除く)と5月6日(金)は休館。観覧料は一般500円、高校生以下または18歳未満無料。
 関連企画として「善光寺如来絵伝」などの絵解き(口演・小林玲子さん)が4月16日、5月14日、6月4日の土曜日14時から行われる予定です。
 (問)同館☎︎232・0052
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当方、今週末には拝見に伺います。皆様もぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

夜新潮社座談会にて星ヶ岡茶寮、草野心平氏、三好達治氏、新潮社平野健一氏と談話、夜八時頃かへる、


昭和27年(1952)10月18日の日記より 光太郎70歳

生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」制作のために帰京し、初めての座談会でした。12月1日発行の雑誌『新潮』第49巻第12号に掲載され、のち、文治堂書店刊『高村光太郎資料』第三集(昭和47年=1972)に収められています。同書でちょうど40ページの長い座談でした。