テレビ再放送の情報です。

プレミアムカフェ (1)旅のチカラ ミケランジェロの街で仏を刻む 松本明慶(2013年)(2)世界 わが心の旅 ロダンが愛したハナコに会いたい 里中満智子(2001年)

NHK BSプレミアム 2022年3月4日(金) 9:00~11:00  再放送 23:45~01:45

番組内容
(1)旅のチカラ ミケランジェロの街で仏を刻む〜松本明慶・イタリア〜(2013年)仏師・松本明慶さんが、ミケランジェロの代表作・ピエタと向き合うためイタリアへ。
(2)世界 わが心の旅 フランス ロダンが愛したハナコに会いたい 漫画家 里中満智子(2001年)近代彫刻の巨匠ロダンのモデルになった「ハナコ」は、女優としてパリやロンドンの舞台で活躍した。里中満智子さんが、ハナコの足跡を追う。

出演者
(1)【出演】松本明慶,【語り】渡邊あゆみ,
(2)【出演】里中満智子,【語り】秋吉久美子,
【スタジオゲスト】横浜美術大学学長…宮津大輔,【スタジオキャスター】渡邊あゆみ

「プレミアムカフェ」は、NHKさんがBS放送で放映した番組の中から要望の高かったものを再放送するというコンセプトです。ずばり光太郎で、「名作をポケットに 高村光太郎 智恵子抄」(初回放送:平成13年=2001)なども取り上げて下さいました。

「世界 わが心の旅 フランス ロダンが愛したハナコに会いたい」。やはり「プレミアムカフェ」として、昨年、放映がありまして、拝見いたしました。
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ご出演は漫画家の里中満智子さん。
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テーマは、ロダンの彫刻モデルを務めた日本人女優・花子
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里中さん、平成12年(2000)に岐阜県さんが県として刊行した『マンガで見る日本真ん中面白人物史シリーズ3 花子 ロダンに愛された国際女優』で、「構成」としてクレジットされています。作画は大石エリーさんという方。当方、てっきり、里中さんは監修的なお立場で、制作実務にはあまり関わられていなかったんでは、と思いこんでいましたが、さにあらず。
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「原作・脚本・絵コンテを担当」ということは、最終的な作画のみが大石さんで、ほぼほぼ里中さんの作品と言っていいものでした。

ちなみにイケメンの光太郎も登場します。花子が女優を引退し、郷里・岐阜に帰ってからの昭和2年(1927)、光太郎が書き下ろし評伝『ロダン』執筆のため、花子を訪ねた際のシーンです。
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残念ながら番組内では、光太郎が花子を訪ねたエピソードは紹介されませんでしたが。

全体によく描かれている漫画でしたが、里中さん、決して満足されていなかったようで……。
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というのも、パリでの花子について、現地調査無しで描かざるをえなかったためです。さすがに県の依頼とはいっても、そこまでの予算はつかなかったのでしょう。

そこで、パリ郊外ムードンのロダン美術館、花子が実際に舞台に立ったホールなどが廻られます。
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ロダンが制作した「花子の首」を手に取られる里中さん。

こうして得られた新たな啓示を元に、改めて絵コンテが描かれます。
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やはり現地を訪れる、というのは大切なことですね。そう考えて、当方も光太郎の足跡を辿り続けています。

さて、今回の「プレミアムカフェ」、彫刻つながりで2本立てです。前半は「旅のチカラ ミケランジェロの街で仏を刻む 松本明慶」。初回放映は平成25年(2013)だそうです。こちらは現代の仏師・松本明慶氏がイタリアを訪問。
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欧米留学中に光太郎も見に行った、ミケランジェロの作品などが紹介されます。

こちらも見応えのある構成でした。

それぞれ、ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

清水観音さま行、 サイドカーで迎へにくる、恭三さんと同行、寺に村会議員、役場の人等集まり居る、東雲作観音の開眼供養、


昭和27年(1952)5月17日の日記より 光太郎70歳

006清水観音さま」は、光太郎が蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村にある寺院です。花巻出身で、光太郎の父・光雲の孫弟子に当たる佐藤瑞圭作の仏像等も納められています。

東雲」は、光雲の師匠・初代髙村東雲の孫。それまで「晴雲」と号していましたが、この頃、三代東雲を襲名しました。「観音」は、前年に、三代東雲が一時暮らしていた北海道から帰京する途中、光太郎の山小屋に立ち寄って、贈ったものです。

現在、花巻高村光太郎記念館さんで開催中の企画展示「第二弾・高村光太郎の父・光雲の鈿女命(うずめのみこと) 受け継がれた「形」」で展示されています。

それにしても、光太郎がお寺までサイドカーに乗せられて行ったというのも面白いですね(笑)。

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