先月刊行された児童向け書籍です。

日本の文学者36人の肖像(上)

2021年12月20日 宮川健郎編 あすなろ書房 定価3,500円+税

明治・大正・昭和・平成の150年間に活躍した、日本の文豪の生涯とその代表作をぎゅっと凝縮した近代文学入門書です。教科書に登場する作家を中心に大きな肖像写真で紹介します。
印象的な写真から、その人の人生も文学も、生きた時代の空気まで感じられることでしょう。

目次000
 はじめに
 森鷗外   医学でも文学でも大きな仕事を残す
 二葉亭四迷 言文一致体で近代文学を創り出す
 樋口一葉  近代女性作家の誕生
 島崎藤村  近代詩のはじまりの詩人
 上田敏   翻訳で近代詩の世界をひらいた
 正岡子規  俳句と短歌の改革者
 夏目漱石  江戸の文化が育んだ明治の文豪
 与謝野晶子 情熱の歌人
 北原白秋  永遠の童心をうたった
 石川啄木  早熟・夭折の天才
 志賀直哉  「小説の神様」と呼ばれた作家
 有島武郎  「近代」と向き合い続けた作家
 芥川龍之介 エゴイズムの追求
 高浜虚子  俳句の伝統を守り、後進を育てた

 高村光太郎 近代詩の父
 萩原朔太郎 革新者であり続けた詩人
 小川未明  日本児童文学の父
 浜田広介  善意の文学


各人、4ページずつ。最初のページは略年譜、見開きで2ページ目が、紹介文にもある「大きな肖像写真」、めくって3ページ目に代表作の抜粋(光太郎は「レモン哀歌」)、最終ページで「作品解説」およびちょっとしたエピソードを紹介するコラム(光太郎の項では「光太郎と宮沢賢治」)。
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版元の想定では「対象:小学校高学年」ということですが、中学生くらいでも十分使えそうです。

ちなみに上下巻で、下巻で扱われているのは以下の通りです。当方、購入していませんが。

宮沢賢治/江戸川乱歩/草野心平/金子みすゞ/井伏鱒二/梶井基次郎/川端康成/中原中也/新美南吉/椋鳩十/中島敦/太宰治/三島由紀夫/寺山修司/まど・みちお/茨木のり子/吉野弘/井上ひさし

教育関係の方、お子様をお持ちの皆さん、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

毛皮に腰のひもをつける、 下水吸込を拡大の為穴掘、北の窓をふさぐ。


昭和26年(1951)11月19日の日記より 光太郎69歳

「〽ふーゆーがー、来っるっ前っにー」ですね(笑)。